新型コロナウイルスによる影響!外国人への対応は?part②

新型コロナウイルスの影響による日本政府の外国人への対応は?

 

 

前回のPart①では、新たに出現した「オミクロン株による影響」や「日本政府が行っている水際対策」について詳しく説明させていただきました。

 

現状として、新型コロナウイルスの影響によって本国へ帰国できなくなったり、日本へ帰れなくなった方たちがたくさんいます。

日本政府は、そのような方たちに対してどのような対応を行っているのでしょうか?

 

Part②では、

・新型コロナウイルスの感染拡大によって本国へ帰れなくなった外国人の方

・逆に日本へ戻ってこれなくなった方たち

への対応などについてそれぞれ具体的にみていきたいと思います。

 

目次

 

1.技能実習生について

 

 

① 本国への帰国が困難な方

「特定活動(6か月・就労可)」又は「特定活動(6か月・就労不可)」への在留資格変更が可能

※ 就労可を希望する場合、従前と同じ業務での就労が条件

※ 帰国できない事情が継続している場合には、更新を受けることが可能

 

② 技能検定の受験ができないために次段階の技能実習へ移行できない方

→  受験・移行ができるようになるまでの間、「特定活動(4か月・就労可)」への在留資格変更が可能

※ 従前と同じ受入れ機関及び業務で就労を希望する方に限る

 

③ 実習先の経営悪化等により技能実習の継続が困難となった方(新たな実習先が見つからない場合)

+  特定技能外国人の業務に必要な技能を身につけることを希望するなど一定の条件を満たす場合

→特定産業分野(介護、農業等の14分野)で就労可能な「特定活動(最大1年・就労可)」への在留資格変更が可能

※ 技能実習を修了し、本国への帰国が困難な方も対象

 

④ 技能実習2号又は3号を修了し、「特定技能1号」への移行の準備がまだ整っていない方

→  移行準備の間、「特定活動(4か月・就労可)」への在留資格変更が可能

 

⑤ 技能実習2号を修了し、「技能実習3号」への移行を希望する方

→  優良な監理団体及び実習実施者の下であれば「技能実習3号」への在留資格変更が可能

 

2.留学生について

 

 

留学生の場合、「留学期間が残っていて引続き学習する場合」と「修了又は中止によってもう学びを受けない場合」とで異なります。

 

<教育機関で引き続き教育を受ける場合>

→  在留資格「留学」に係る在留期間更新許可を受け、引き続き教育を受ける活動を行うことが可能

※ これまでとは違う教育機関で教育を受ける場合も更新可能。

※ 通常2年間の在留が認められるが、これを超えて更新可能。

 

<教育を受ける活動を行わない場合>

なおかつ、帰国便の確保や本国国内の住居地への帰宅が困難であると認められる場合

→  在留資格「特定活動(6か月)」への在留資格変更が可能

※ 就労を希望する場合は、資格外活動許可を受けなくても週28時間以内のアルバイト可

※ 令和2年10月19日より、卒業の時期や有無は問われなくなりました。

 

3.就職活動中又は内定待機中の外国人の方について

 

① 就職活動を行うための「特定活動」が許可されていて引き続き就職活動を行う場合

「通常の卒業後1年間」を超えた在留期間の更新を受けることが可能

 

② 内定者が就職するまでの期間として「特定活動」を許可されており、新型コロナの影響により採用予定時期が延長するなどで引き続き日本に在留する場合

「通常の内定後1年以内かつ卒業後1年6か月を超えない期間」を超えた在留期間の更新を受けることが可能

 

※ ①②ともに、資格外活動許可を受けることも可能です。

 

4.解雇等された外国人の方について

 

 

新型コロナの影響で勤めていた会社が倒産してしまったり、業績不振のために解雇されてしまった場合には、

最大1年間の「特定活動(就労可)」の在留資格が許可されます。

 

<対象者>

・解雇等され、実習の継続が困難となった技能実習生

・解雇等され、就労の継続が困難となった外国人労働者

・採用内定を取り消された留学生

・技能実習を修了し、帰国が困難となった方    など

※ 上記の対象者で転職・就職先を見つけることが難しい場合は、国のサポートによる求人事業者とのマッチング支援を受けることができます

※この措置で1年間在留した方であっても帰国が困難な場合、6か月の範囲で在留期間の更新が可能です。

下記リンクをご参照ください。

解雇等された外国人の方への就労継続支援のご案内(出入国在留管理庁)

 

また、就労を目的とする在留資格の方で、次の①~④の方には現在の在留資格のまま在留が認められます。

① 雇用先から解雇又は雇止めの通知を受けた方で、就職活動を希望する方

② 雇用先から待機を命じられた方で、復職を希望する方

③ 雇用先から勤務日数・勤務時間の短縮を命じられた方で、引き続き稼働を希望する方

④ その他上記①又は③に準ずる方

 ※ 資格外活動の許可を受けることも可能です。

 

5.在留資格認定証明書の有効期限が経過した外国人の方について

 

 

一度在留資格認定証明書を取得したものの、新型コロナの影響で3か月以内に日本へ入国できなくなった外国人は、新たに在留資格認定証明書交付申請を行うことができます。

 

<条件> ①②を両方満たす必要があります。

① 前回の申請内容から変更がない方

② 特例の同証明書の有効とみなす期間(※)を経過する方

 

<必要書類>

・ 申請書

・ 受入機関等が作成した理由書

・ 交付済みの在留資格認定証明書(原本又は写し)

 

<申請期限>

2022年7月31日以降で出入国在留管理庁が指定する日まで

 

※ 2020年1月1日~2021年7月31日までに作成された在留資格認定証明書→2022年1月31日まで有効

※ 2021年8月1日~2022年1月31日までに作成された在留資格認定証明書→作成日から6か月間有効

 

6.再入国出国中の方について

 

 

① 再入国出国中に在留期間が経過した方

→  新たに在留資格認定証明書交付申請を行うことができる

 

<条件> 次の条件を満たす必要があります。

・ 再入国出国前から、活動内容や身分関係に変更がない方

・ 再入国許可による入国期限2020年1月1日以降の方

・ 滞在する国・地域が、コロナの拡大防止に係る入国制限が解除された日の6か月以降、当庁が別途指定する日までに再入国許可による入国期限が満了する方

 

<必要書類>

・ 申請書

・ 受入機関等が作成した理由書

・ 従前の在留カードの写し

 

<申請期限>

申請人が滞在する国・地域がコロナの感染拡大に係る入国制限を解除された日の6か月後以降で出入国在留管理庁が別途指定する日まで

 

② 在留諸申請中に再入国許可により出国した方

みなし再入国許可を含む再入国許可によって出国中で、出国前に

・在留資格変更許可申請

・在留期間更新許可申請

・永住許可申請

上記いずれかの申請を行っているが、新型コロナの影響により再入国できない場合

→  日本にいる親族又は受入れ機関の職員等による当該申請の許可に係る在留カードの代理受領を認め、出国中の方が再入国許可による上陸申請を行うことを可能とする

 

7.在留資格の活動を行うことができない「正当な理由」とは

 

 

新型コロナの感染拡大に伴い在留資格に係る活動を行うことができない場合でも、

「正当な理由」がある場合には在留資格取消しの対象にはなりません。

 

在留資格に係る活動を行うことができない場合とは具体的に、

「技術・人文知識・国際業務」「技能」「留学」等の在留資格で日本に在留している外国人が、その在留資格に係る活動を継続して3か月以上行っていない場合のことを指します。

 

「正当な理由」の例としては、

・ 在籍している就労先が営業不振又は営業自粛となり、一時的に休業せざるを得なくなった場合

・ 在籍していた稼働先を退職後、再就職先を探す活動を行っていたり、又は再就職できる見込みがあっても会社訪問を行うことができない状況にある場合

・ 在籍している又は進学先の教育機関が休校となった場合

・ 在籍していた教育機関が閉校した後、他の教育機関に入学するために必要な手続きを進めることができない場合

・ 新型コロナを含む病気治療のための入院が長期化し、教育機関を休学している場合

上記の場合などが挙げられますが、これ以外にも個別具体的に検討されることになります。

 

8.まとめ

 

 

現在は、新型コロナがいつになったら収まるのか、これからも深刻化していくのかなど、先が見通せない状況です。もしかするとこれから一生付き合っていくものにもなり得ます。

日本をはじめとして世界中がコロナ対策を行っていますが、これからは長期化するコロナ対策についても考えていくことが大切になるのかもしれません。

 

それによって国の往来についての対応も刻々と変化していくことになると思います。

日本への出入国を考えている方は、出入国在留管理庁などで公表された情報を逃さないようにすることが大切です。

 

昨年2020年の年末年始には巨大な第3波に見舞われたこともあり、今年も一人一人が注意をしていけるといいですね。

第6波が来ないように引き続きマスクの着用、消毒や密を避けるなどの感染対策を徹底していきましょう。

 

part①はこちら

 

 

<業務対応地域>

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