在留カードとは~在留カードの記載内容や申請・変更の方法について


目次

1.在留カードとは~在留カードの概要について

在留カードとは、わが国で中長期にわたって在留する外国人に対して、入国の許可(上陸許可)や在留資格の変更、在留資格の更新などに対する許可の結果として交付されるものです。

法務大臣が外国人に対して在留することが合法であるということを証明するものであり、また在留資格の変更や在留資格の更新に対する許可証としての役割も担っています。

そのため、偽変造防止のためにカードにはICチップが搭載されており,記載された事項のすべて、または一部が記録されています。

 

在留カードには以下のような内容が記載されています。

・氏名
・生年月日
・性別
・国籍・地域
・住居地
・在留資格
・在留期間(満了日)
・許可の種類・許可年月日・交付年月日
・有効期限
・就労制限の有無

・居住地(変更があった場合は裏面に記載されます)
・資格外活許可の有無
・在留期間更新等許可申請欄(更新や変更の許可申請中はその旨記載されます)

 

これらは国が把握する重要な情報となっているため、変更が生じた場合には変更届が義務付けられています。

2.在留カードの対象者

在留カードは日本に90日以上中長期間在留する外国人を対象として交付されます。そのため、旅行などで90日以下の短期滞在をする外国人は対象とはなりません。

中長期在留する外国人とは、次の1~6のいずれにもあてはまらない人です。

3ヵ月間以下の在留期間が決定された者
・短期滞在の在留資格が決定された者
・外交または公用の在留資格が決定された者
・1から3の外国人に準じるものとして法務省令で定める者
・特別永住者
・在留資格を有しない者

■交付の対象となる方の例
日本の配偶者や日系人の方、企業で働いている方、技能実習生、留学生や永住者など。

■交付の対象とならない方の例
旅行者、外交官、不法滞在者など。

3.在留カードの記載内容を変更する場合

在留カードの記載内容に変更が生じた中長期在留者には変更手続きが義務付けされています

 

住居地の変更を行う場合には、新しい住居地に転居してから14日以内に、転居先の市区町村の窓口で「在留カード」と共に「住居地届出書」を提出します。変更手続きは無料となっており、即日に新しい住所が記載された在留カードが交付されます。

 

氏名や生年月日、性別または国籍・地域などの変更が必要な場合には、地方出入国在留管理官署に「パスポート」「写真」「在留カード」と共に手続きが必要になります。

 

基本的には滞在を行う外国人本人が申請を行うことになりますが、16歳未満や病気などによって本人の申請が難しい場合には、代理人や行政書士などの申請取次人によって申請することが可能です。

4.在留カードの有効期間

在留カードにも有効期限があります。

 

■在留カードの有効期間

16歳以上の場合は在留期間の満了日まで
16歳未満の場合は在留期間の満了日または16歳の誕生日までのいずれか早い日が有効期限になります。

 

■在留カードの有効期間の更新申請

1.永住者(16歳以上に限る。)又は高度専門職2号
現に有する在留カードの有効期間の満了日の2か月前から有効期間満了日まで

2.在留カードの有効期間の満了日が16歳の誕生日とされている者
16歳の誕生日の6か月前から同誕生日まで

3.申請期間何に申請することが困難であると予想されるもの
出張や留学のため長期間本邦外で生活することとなり申請期間内に再入国することができないなどのやむを得ない理由のために申請期間内に申請をすることが困難であること
認められている場合は申請期間前においても申請できます

もし、在留カードの更新手続きを忘れていた場合には、「1年以下の懲役または20万円以下の罰金(入管法第71条の2)」が課せられることがありますので注意が必要です。

5.外国人を雇用する際の在留カードのチェックポイント

■企業が外国人を雇用するにあたって最も大切なことは、就労が認められていない外国人を雇用しないことです。

就労が認められていない外国人を雇用した場合には、たとえ雇用側がそのことを知らなかったとしても「不法就労」として就労者本人に対して強制退去などの処分が課されるだけでなく、雇用した事業者に対しても罰則規定が適用されることがあります。

 

■外国人を雇用するときは就労の可否を確認することが必須です。まず在留カード表面の「就労制限の有無」と「在留資格」の活動内容を確認してください。

「就労制限なし」と記載があれば就労可能です。
「就労制限なし」の在留資格は永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者の 4 種類で、日本人と同様に活動制限がありません。

「就労制限なし」以外の記載の場合は、一部制限を伴って就労が可能になりますので、就労可能な範囲を確認する必要があります。

「在留資格に基づく就労活動のみ可」と記載のある場合は在留資格の範囲内の業務が可能

「指定書により指定された就労活動のみ可」と記載のある場合は指定書に記載のある就労のみ可能となります。

「就労不可」と記載のある場合は、「資格外活動許可」を取得済であれば就労可能です。
こちらは外国人留学生の場合が多いですが、留学生は原則就労が認められませんが「資格外活動許可」を得ることでアルバイトが可能になります。

「資格外活動許可」の有無はカードの裏面で確認できます。

 

■外国人採用時の確認事項まとめ
以上のことから外国人を雇用するには
就労制限の有無、在留資格の内容(資格外活動許可や指定書の確認が必要な場合もあります)と併せて、在留期間と有効期限の確認が必要です

 

■雇用の後の届出も忘れずに
外国人を雇用する雇用者は、外国人の雇用・離職の際にハローワークへの届出も必要となります。こちらも届出を怠った場合には 30 万以下の罰金となるため、必ず行うようにしてください。

6.まとめ

在留カードは、日本に90日以上滞在する「中長期滞在者」に対しては、上陸許可や在留資格の変更許可、在留期間の更新許可などの在留に係る許可に伴って交付されるものです。

中長期滞在者は常に携帯が義務付けられており、常に最新の正しい情報が記載されている必要があります。

在留カードの交付申請や変更、更新の手続きは適正な内容を申請する側が書面で証明なければなりません。雇用者にとって多様な書類の取得や申請内容の理由書の作成は負担になることも多く、変更や更新の際には手続の期限の厳守も必須です。

何よりも確認すべき事項を見逃してしまった場合や法的制裁の対象となる可能性も出てきます。

雇用主にとって有能な外国人を採用することは事業の発展に非常に有益であり、就労者である外国人にとっても良好な就業環境で安定して就業することが求められています。

法的問題をクリアした上での外国人の採用を実現するために、在留資格の申請に特化した専門家である申請取次行政書士に相談することをお勧めします。

 

 

 

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