お問合せ在留資格（ビザ）があればアルバイトは可能？在留資格別に徹底解説！
目次
1.在留資格（ビザ）があればアルバイトは可能？
コンビニや飲食店などでは、アルバイトと思われる外国人が働く光景を見かけることが多くなりました。
「外国人は一生懸命働いてくれそうだからアルバイトとして雇いたい」
と考える企業や事業主の担当者も多いのではないでしょうか。
でも、外国人を雇用する場合には、いくつか注意点があります。在留資格（ビザ）によっては、アルバイトであっても、雇用することができない場合があります。
しかも「知らなかった」とは言え、企業や事業主が「不法就労助長罪」の罪に問われてしまう可能性がありますから、しっかりと把握しておく必要があるのです。
「じゃあ、外国人は雇わない方が…」と感じるかもしれませんが、それほど難しいものではありません。
もちろん日本人のアルバイトを雇用する場合と比較すれば異なる点はありますが、一度理解してしまえばまったく問題のないことでしょう。在留資格にはさまざまなものがありますが、特定の在留資格だけにアルバイトが認められています。
主要な在留資格だけ覚えておくようにすれば大丈夫です。ここでは在留資格別にアルバイトが可能かどうかお伝えし、注意点についてもご紹介していきます。
2.在留資格（ビザ）別にみるアルバイト可否
・永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者
・留学・家族滞在
・短期滞在
・技術・人文知識・国際業務
・特定活動
・技能実習・特定技能
外国人の雇用が初めての企業や事業主にとっては、在留資格にどのような違いがあるのか、アルバイトの可否はどうなのか分からないことも多いでしょう。ここでは在留資格別にアルバイトの可否についてご紹介し、その際の注意点についてもお伝えしていきます。外国人を採用する参考にしてみてください。
2-1.永住者・日本人の配偶者等・永住者の配偶者等・定住者
この4つの在留資格については、就労に制限がありません。そのため、日本人と同じようにどのような仕事にも就くことが可能です。
これらの在留資格は、配偶者が日本人であるなど、日本との関わりの深い方や法律上において地位を持っている場合に与えられるものです。
この4つの在留資格については、専門的な知識や技能を必要としない単純労働であってもアルバイトとして雇用することは問題ありません。
この4つの在留資格を持っている外国人の在留カードには、「就労制限の有無」の欄に「就労制限なし」と記載されています。
2-2.留学・家族滞在
結論から申しますと、これらの在留資格においては就労が認められていません。在留カードの「就労制限の有無」の欄には、「就労不可」と記載されていることが分かります。
「留学」とは日本に勉強しに来た留学生に対するもの、「家族滞在」とは日本で就労ビザなどを取得して在留する方の扶養を受ける配偶者などが受ける在留資格となっています。ただし、入国管理局から「資格外活動の許可」を得ていればアルバイトが可能となります。
許可を得た場合には、定められた範囲内で雇用することができるようになります。
「留学」：週28時間以内（ただし夏休みなどの長期休暇中は週40時間以内）
「家族滞在」：週28時間以内
上記範囲であっても、キャバクラやパチンコ店などの風俗営業では働くことができませんので注意が必要です。留学生の場合、在学しているかどうかの確認が重要です。退学している場合には在留資格が無効となるためです。アルバイトで勤務後に退学した場合にも、在留資格は無効となりますので、注意が必要です。
2-3.短期滞在
「短期滞在」とは日本に90日以内の滞在をする場合の在留資格を指していますが、原則としてアルバイトすることはできません。
留学や家族滞在のように、「資格外活動の許可」を取得することもできませんので注意が必要です。この短期滞在とは、いわゆる観光ビザと呼ばれるもので、比較的簡単に発行される在留資格となっています。
新聞やテレビなどでときおり不法就労の摘発が報道されることがありますが、この「短期滞在」の在留資格で入国して働いているケースが多くなっています。
ただし、新型コロナウイルス感染症の影響によって母国への帰国が困難な場合には、一定の要件を満たしている場合に、週28時間以内のアルバイトが認められています。
2-4.技術・人文知識・国際業務
技術・人文知識・国際業務は、エンジニアや経営コンサルタント、語学教師などといった専門知識を有した外国人が日本で働くために必要な在留資格となっています。この在留資格においてアルバイトは可能となっていますが、在留資格で認められている業務の範囲内でなければ雇用することができません。
例えば、システムエンジニアとしてこの在留資格を有している外国人が、コンビニや飲食店でアルバイトすることは不可となっています。この場合、別の会社でシステムエンジニアを行う場合であればアルバイトは可能となっています。
しかしその際においては、本業の企業との兼ね合いが必要であり、就業規則に副業禁止としている企業であれば、アルバイトすることはできません。
また、留学や家族滞在のように「資格外活動の許可」を取得すればアルバイトすることは可能となりますが、実際にこの許可を取得するシーンは転職活動中などを除けば、それほど多くはありません。
2-5.特定活動
「特定活動」とは特殊な在留資格であり、日本でできる活動は多種多様となっていますが、一般的な在留資格に収まりきらない活動の受け皿となっているものです。許可されている活動だけでも数十種類となっています。
そのためアルバイトについても、どのような内容で特定活動の在留資格を取得しているかが重要になってきます。人によって滞在理由や滞在期間が異なるからです。
活動内容を知るためには、パスポートに添付されている「指定書」によって確認することができます。
基本的には指定書に就労可能である旨が記載されていない場合には働くことができませんが、「資格外活動の許可」を取得すれば週28時間以内でアルバイトすることが可能となります。
難民の申請中の場合には「特定活動」の在留資格が与えられ、時間制限なく就労が可能となります。審査期間はおおよそ2年となっており、最初の6か月間は就労不可で、6か月経過後に「特定活動」となります。難民であると認められた場合には「定住者」の在留資格が与えられます。
2-6.技能実習・特定技能
「技能実習」「特定技能」においてはアルバイトが認められることはありません。「技能実習」とはわが国で技術や知識を学ぶ技能実習生のために与えられるもの、「特定技能」とは特定分野で就労するために与えられる在留資格となっています。
「技能実習」の技能実習生は、当然ながら技能実習に専念する必要がありますから、資格外活動が認められることはほとんどありません。
ただし、新型コロナウイルス感染症の影響により技能実習の継続が困難な場合や本国等への帰国が難しい場合には一定の要件を満たしている場合に就労が認められます。
「特定技能」の場合では、フルタイム（労働日数が週5日以上かつ年間217日以上、週労働時間が30時間以上）で雇用されることになっています。
3.外国人をアルバイトで採用する際の注意点
・在留資格とパスポートを必ず確認する
・Wワークの場合には就労合計時間に注意する
・ハローワークへの届出を忘れない
外国人をアルバイトで採用する際には、上記3つのポイントが大切になります。
在留資格は在留カードで「期間」「資格外活動許可」について確認しておきます。「資格外活動許可」については、パスポートに貼付されています。アルバイトが「週28時間以内」で認められているものがありますが、Wワークの場合、合計で週28時間以内となることに注意が必要です。
仮に週1時間だけの勤務であるとしても、すでに別の場所で週28時間の勤務をしているとしたら規定範囲を超えていることになります。
その場合には、勤務状況などしっかりと報告してもらうことが大切です。
外国人を雇用した場合や退職した場合には、必ずハローワークに届出が必要となります。届出をしない場合には罰則適用の対象となりますので注意するようにしましょう。
4.まとめ
外国人のアルバイト採用のことなら、在留資格に関する申請に精通した行政書士に相談することをおすすめします。
在留資格にはさまざまなものがあり、それらを確認することは、初めて外国人をアルバイトで採用する企業や事業主であれば大変困難です。特に近年では観光ビザで不法就労するようなケースも多くなっていますので、「知らなかった」では済まされない事態に巻き込まれてしまうリスクもあります。
そのため、申請、規制、法令に対する豊富な経験を持っている行政書士に相談しておけば、とても安心して業務に取り組むことができます。ぜひうまく行政書士を活用してみることをおすすめします。
＜業務対応地域＞
東京都内全域：渋谷区、港区、中央区、千代田区、品川区、新宿区、豊島区、目黒区、荒川区、足立区、江東区、墨田区、練馬区、文京区、板橋区、江戸川区、世田谷区、杉並区、大田区、北区、台東区、中野区、葛飾区、八王子市、武蔵野市、三鷹市、小金井市、西東京市、狛江市、調布市、府中市、国立市、国分寺市など
神奈川県（都内近郊）：横浜市、川崎市、横須賀市、厚木市、平塚市、藤沢市、小田原市、相模原市など
埼玉県全域（都内近郊）：さいたま市、所沢市、川口市、草加市、春日部市、富士見市など
千葉県（都内近郊）：千葉市、船橋市、柏市、浦安市、市川市、松戸市、習志野市、八千代市、流山市など
ZOOMによる面談は全国承ります。