ワーホリを活用しよう!ワーキングホリデーって?活用方法をご紹介!
ワーキング・ホリデーとは?雇用する場合の注意点は?
目次
1.告示特定活動5号「ワーキング・ホリデー」とは
ワーキング・ホリデーとは、二国間の取決めによってそれぞれの国で青少年に対して「休暇目的の入国」及び「滞在期間中の旅行・滞在資金を補うための就労」を認めるというものです。
ワーキング・ホリデーはそれぞれの国や地域がその文化や一般的な生活様式を理解する機会を相手国・地域の青少年に提供し、二国・地域間の相互理解を深めることを目的としています。
ワーキング・ホリデーの在留期間は6か月又は1年です。
令和2年4月時点で、日本は26の国や地域との間でこの制度を導入しています。
日本では年間約1万5千人の外国人がワーキング・ホリデーのビザで滞在しています。
制度を導入している国・地域と年間査証発給枠(定員)
2.査証発給要件
ワーキング・ホリデーの査証(ビザ)を発給してもらうためには以下の8つの要件をクリアする必要があります。
① 相手国・地域に居住する相手国・地域の国民、住民であること
② 一定期間相手国・地域において主として休暇を過ごす意図があること
③ 査証申請時の年齢が18歳以上30歳以下であること
※例外
アイスランドでは18歳以上26歳以下
フランスでは18歳以上29歳以下
④ 子又は被扶養者を同伴しないこと
⑤ 有効な旅券と帰りの切符(又は切符を購入するための資金)を所持すること
⑥ 滞在の当初の期間に生計を維持するために必要な資金を所持すること
⑦ 健康であること
⑧ 以前にワーキング・ホリデー査証を発給されたことがないこと
※1国につき1回のワーキング・ホリデーが認められるため、別の国であれば大丈夫です。
ただし、国や地域によって多少の違いがあるため、詳しくはそれぞれの国の駐日大使館へ問い合わせましょう。
3.ワーキング・ホリデーを考えている日本人の方へ
<💡就労制限>
国や地域によって就労期間、就労時間の制限があることがあります。
行こうと考えている国についてはしっかりと事前に調べておくようにしましょう。
現在就労制限のある国は以下になります。
ただし、オーストラリアでは農業の仕事やオーストラリア北部での仕事を行う場合などには例外として1年間同じ職場で働くことができます。
<💡就学期間の制限>
就労制限と同じく、語学学校などでの就学期間が定められている国もあります。
<💡在留届の提出義務>
外国に住所又は居所を定めて3か月以上滞在する場合にはその場所を管轄する日本大使館又は総領事館に「在留届」を提出する義務があります。
<💡滞在期間の延長ができる国>
ワーキング・ホリデーで滞在することができる期間は原則として1年間です。
ただし、例外として1年以上滞在することができる国もあります。
オーストラリア:最大3年間
イギリス:2年間
チリ:最大2年間
ニュージーランド:農園で3か月以上就労した場合は1年3か月
ワーキング・ホリデーでの行き先を決めるときにはきちんとその国について事前に調べることが大切です。
国によっては労働環境が悪かったり、治安が良くないということもあります。事前準備は入念に行いましょう。
4.ワーキング・ホリデーで日本に滞在しようと考えている外国人の方へ
<💡就労できる職種の制限>
基本的には単純労働など、どの職種でも就労することができ、労働時間の制限もありません。
もしもこれらに従事した場合には、退去強制事由に該当することがあります。また、これらに従事させた者は、不法就労助長罪、人身売買罪等に問われることもあります。
<💡転入届の提出>
日本で住居地を定めた場合は、14日以内に市区町村の窓口で「転入届」を提出する必要があります。
転入届を提出することでのちに通知カードが送付され、マイナンバーをもらうことができます。
5.申請書類
以下、査証申請に必要な主な書類です。
・在留資格認定証明書交付申請書
・履歴書
・在学証明書や最終学歴証明書
・日本滞在の詳細な予定表や旅程表
・申請の理由書
・健康診断書
・銀行の残高証明等
・帰国する際の切符及びフライト旅程表(用意できない場合には10万円ほどを目安に銀行残高にプラスしてください)
・自己アピール資料
・その他写真等
6.ワーキング・ホリデーの外国人を雇用する際の注意点
ワーキング・ホリデーで滞在する外国人を雇用する場合にはいくつか気を付けなければならないポイントがあります。
<💡確認すべきこと>
ワーキング・ホリデーに限らず、外国人を雇用する際に必ず次の2点を確認するようにしましょう。
① 就労可能なビザであるか
→在留カード又は指定書を確認!
② 滞在期限はいつまでか
→在留カードを確認!
就労可能かどうかは在留カードに記載されています。
ただし、特定活動の場合には就労可能かどうかはパスポートに添付されている指定書に記載されています。
また、在留期限を確認するのはいつまで働けるのかを確認するためです。
万が一、在留期限が切れてしまっているのに新たな在留資格もなく働き続けてしまった場合には不法就労に当たります。
不法就労している外国人はもちろん、雇用主にも3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、又はその両方が科せられます。
そのため、しっかりとこの2点を確認するようにしましょう。
<💡所得税率>
ワーキング・ホリデーで在留する外国人は原則として非居住者の扱いになります。
通常は累進課税制度が適用されますが、非居住者の所得税率は一律20.42%と決まっています。
これはどの職場でも変わらず20.42%なのでその点をしっかりと外国人に説明する必要があります。
また、日本とその外国人の居住国とで租税条約が結ばれている場合には、その租税条約の定めによって税率が免除され、又は軽減されることがあります。
<💡社会保険の扱い>
社会保険は、厚生年金保険、健康保険、労災保険、雇用保険の4つを指します。
その中で、ワーキング・ホリデーで在留する外国人に適用されるものは「厚生年金保険」「健康保険」「労災保険」の3つです。
雇用保険については、就労ではなく「休暇」を目的として在留しているため対象外となります。
労災保険は強制になるため、必ず加入しなければなりません。
ただし、厚生年金保険と健康保険については次の場合には加入しなくても良い場合があります。
① パートやアルバイトで労働時間や労働日数が少ない場合
従業員数が500人以下の事業所で、1か月の平均所定労働時間が正社員の3/4以下である場合等
② 外国人の母国と日本で社会保障協定を結んでいる場合
<継続して雇用したい場合>
ワーキング・ホリデーのビザで滞在している外国人は原則として、在留期間が終了すると母国へ帰らなければなりません。
しかし、そのまま継続して日本で働くことができない訳ではありません。
継続して雇用したい場合には2通りの方法があります。
① 一度帰国し、新たに就労ビザで来日してもらう
② ワーキング・ホリデーから就労ビザへ在留資格の変更を行う
①の場合には一度帰国しなくてはならないことや、一から在留資格認定証明書交付申請を行う必要があることなどから3か月ほどの時間を要します。
また、②の方法は国籍によってできる国とできない国があります。
ワーキング・ホリデーの査証発給時に、期間終了後必ず国へ帰ることが要件とされている国もあります。
以下の国は期間終了後帰国することが定められているため在留資格の変更ができません。
・フランス
・イギリス
・アイルランド
・ノルウェー
・チェコ
・台湾
・香港
7.まとめ
ワーキング・ホリデーの査証申請の要件はその国ごとに少しずつ違ってきます。
さらに、就労制限や就学制限、在留資格の変更の取り扱いなども国によって異なります。詳しい内容は入管に問い合わせるのが確実でしょう。
現在は新型コロナの影響でなかなか国の行き来ができませんが、コロナが収束してからこういったワーキング・ホリデーを活用して様々な文化に触れられるといいですね。
ワーキング・ホリデーを考えている方やワーキング・ホリデーで滞在する外国人の雇用を考えている方はぜひ、ビザ業務に詳しい行政書士に相談することをお勧めします。
<業務対応地域>
東京都内全域:渋谷区、港区、中央区、千代田区、品川区、新宿区、豊島区、目黒区、荒川区、足立区、江東区、墨田区、練馬区、文京区、板橋区、江戸川区、世田谷区、杉並区、大田区、北区、台東区、中野区、葛飾区、八王子市、武蔵野市、三鷹市、小金井市、西東京市、狛江市、調布市、府中市、国立市、国分寺市など
神奈川県(都内近郊):横浜市、川崎市、横須賀市、厚木市、平塚市、藤沢市、小田原市、相模原市など
埼玉県全域(都内近郊):さいたま市、所沢市、川口市、草加市、春日部市、富士見市など
千葉県(都内近郊):千葉市、船橋市、柏市、浦安市、市川市、松戸市、習志野市、八千代市、流山市など
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