在留資格「日本人の配偶者等」を取得するには?
目次
1.在留資格「日本人の配偶者等」の取得概要
在留資格「日本人の配偶者等」(いわゆる配偶者ビザ)は、①日本人の配偶者②日本人の子として出生した者③日本人の特別養子に該当する外国人に与えられる在留資格です。
「配偶者等」とされており、配偶者の他に上記②③も該当します。
「日本人の配偶者等」は、身分や地位に基づく在留資格であり、日本人と同じように制限のない自由な活動をすることができます。
就労系の在留資格に基づいて日本で就労する外国人は、各在留資格で認められている内容の業務内容しか行うことができませんが、「日本人の配偶者等」の在留資格であれば活動の範囲に厳しい制限がありません。
起業することも自由に認められますし、いわゆる単純作業といわれるような飲食店の店員や、コンビニエンスストアの店員、日雇い労働や風俗店従業員として働くことも可能です。
日本人と同じように自由に活動することができるのです。
一方、就労系の在留資格を取得するには、申請人の職歴や学歴と業務内容が見合っているかなど数々の要件を満たす必要があるため取得時のハードルも高く、取得できても退職した場合には次の仕事を見つけなければ在留できなくなってしまいます。
そこで制限なく就業できる在留資格の取得を目的に、日本人と偽装結婚して「日本人の配偶者等」の在留資格を取得すようとする人も少なくありません。出入国在留管理局では在留資格「日本人の配偶者等」の申請については婚姻の実体があるかどうかも含め、厳しく審査がなされます。
ここでは在留資格「日本人の配偶者等」の取得について詳しくお伝えしていきます。
2.在留資格「日本人の配偶者等」の取得要件
在留資格「日本人の配偶者等」の取得要件
①結婚が虚偽ではなく、実体のある婚姻であること。
②日本で安定して生活をしていくことができる経済的基盤があること。
③素行が良好であること
①結婚が虚偽ではなく、実体のある婚姻であること。
単に婚姻が法律上成立しているだけでなく実体を伴っている必要があります。
以下のポイントをおさえて実体を証明していかなければなりません。
■真正な夫婦としての実体があるか
・交際期間はどのくらいか。(短かくないか)
・対面での交際歴があるか、一緒に撮った写真があるか。
・お互いが充分なコミュニケーションをとれるだけの語学力があるか。(翻訳機能を使用せずに意思疎通ができるレベルであるか)
・結婚した事実を本人たち以外の家族や友人に知らせているか。
・年齢が離れている場合や離婚歴がある場合は、それが結婚に障害をもたらさず婚姻を安定継続することが可能であるか。
・夫婦で生活するのに適する住居で(単身用のワンルームマンションなどではなく)同居をしているか。
■法律上結婚が成立しているか
・婚約段階ではなく結婚をしているか。
・日本国内と、相手側の外国人の母国両方で法律上結婚が成立しているか。
・同性婚ではないか。(日本では現段階では同性婚では「日本人の配偶者等」の配偶者として認めれていません)
②日本で安定して生活をしていくことができる経済的基盤があること。
夫婦で経済的基盤がなければ、結婚生活を継続できません。結婚生活を安定継続できることを課税証明書や納税証明書を提出して収入を証明します。
勤め先が公務員や大きな会社の正社員であれば問題なしとされますが、フリーランスや派遣社員、アルバイト契約などで就業している場合は説明を充分にして安定性を証明する必要があります。
③素行が良好であること
・滞納している税金がないか。
・過去にオーバーステイをしていないか。
・過去に犯罪歴がないか。
また、過去に難民申請をしたことがある場合(申請したけれど認定されなかった)は、それ自体は問題ないのですが、今回の結婚が偽装結婚ではないかと疑念され審査厳しくなる傾向にあります。
本人が世帯主で家族の国保が滞納状態になっていたなど、なんらかの事情税金を滞納してしまった場合は、審査は厳しくなりますが理由をきちんと説明することが大切です。
3.まとめ
在留資格「日本人の配偶者等」の申請は上記でお伝えした通り、就労目的の偽造結婚ではないかという点から、出入国管理局の審査も詳細に厳しく行われます。
上記でご説明した条件や要件を満たしていることはもちろんのことですが、その他にもさまざまな書類を整備しておく必要があります。場合によっては、婚姻の実態を客観的に説明するための書類なども準備が必要です。
そもそも日本人でも難解な書類整備ではありますが、慣れない外国人が作成することはかなり困難な作業になることは間違いありません。
在留資格に関する申請は、審査の基準も踏まえた書類の準備を慎重に行うことが求められます。在留資格に特化した申請取次行政書士にご相談ください。
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